個性のない汎用的な糸よりも、面白さがあったり、ニットの可能性を広げるような、ユニークな価値ある糸づくりを大事にしています。糸単体としてではなく、編まれたときに魅力を発揮するように、編地をつくって検証を重ね、編む人にとっての使いやすさ、身に付ける人の気持ちも考え抜いて、SAWADAの糸はできています。
自動化している生産工程のなかで、糸の品質が安定していなければ、生産ラインが何度も止まってしまったりと大きなロスが発生します。SAWADAでは経験豊かなヤーンデザイナーが、長年の経験からトラブルが起こる原料の組み合わせを避け、信頼できる日本の専門工場でつくることで、安定した品質を実現しています。
生産期間をできるだけ短縮したいというご要望に応えるには、オーダーをいただいてから糸をつくりはじめていては間に合いません。そこでSAWADAでは、バリエーション豊かなニット原糸、染め糸を日本、香港、上海にストックすることで、アジア各地の工場へもすみやかにお届けするデリバリー体制を整備しています。スピーディな生産をバックアップします。
良質な原毛を世界各地から調達し、風合いを傷めないように油脂分や土砂をきれいに洗い、乾燥して、糸になる原料をつくります。泉大津には高品質なカシミヤ専業メーカーもあり、デリケートな原毛を扱う高度な技術が駆使されています。
原料繊維に撚りをかけて、均整な糸に仕上げます。単糸をさらに撚り合せると、ニット用のふくらみのある糸ができます。撚りの強弱によって糸の風合いを変えたり、玉やループをつくってユニークな表面をつくる「意匠撚糸」の工場もあります。
染色は、糸になる前の原料の段階から染色する方法と、糸にしてから染める方法があります。泉大津には7,000色近いカラーサンプルを持ち、オーダーに応じた繊細な色合わせを行う技術者がいます。原料や糸を傷めない染色技術も自慢です。